Vol.5「海洋プラスチック」

環境保護の観点から度々話題に上がるのが、海洋ごみ問題
単語だけ聞くとどうしても大きな問題に聞こえがちですが、これも私たちの身近にある問題の一つです。
今回はこの問題についてを話し合いました。

現在海洋ゴミの7割は、プラスチックごみであると言われています。
これらは海洋プラスチックごみと呼ばれます。

この海洋プラスチックごみはどこから来るのか。
これには様々な要因があります。

もちろんごみはきちんと分別して、ごみの収集業者に回収してもらっているという方が大半かと思います。
しかしそれらも海洋ごみになり得るのです。

例えばごみ収集に出そうと回収場所に置いたごみ袋。
きちんと袋の口が閉まっていなかったり、これをカラスや野生の動物が破ってしまうと中のごみが散乱します。
例えば街中のごみ箱。
満タンまで詰まったごみ箱から溢れていたり、その周囲に置きっ放しだったり、駅などでよく見かける光景です。
これらのごみが風に吹かれたり、人や車に蹴られたりすると町から川へ、そして川は海に出ます。
こうして街中のごみが海に流れ着いていくのです。

そしてプラスチックごみというのは普通のごみと比べて中々自然に還らず、劣化して目に見えないほどに細かくなってもプラスチックという物質のまま存在し続けます。
完全に分解されるには数百年という膨大な時間がかかってしまう、これがプラスチックです。

ではこれが海に流れ着くことでどうなるのか。

まずは魚をはじめとした海洋生物に対する影響。
環境の悪化はもちろん、生き物はごみを餌と間違えて食べてしまいます。
そうでなくとも、劣化して細かくなったプラスチックは水とともに生き物の体内に入り込み蓄積された結果、死んでしまう生き物は少なくありません。
その他にも生き物の体に傷をつけたり、ごみが体に絡まり身動きを取れなくなってしまう生き物も多くいます。

そしてこの問題は海だけで終わらず、陸や空、人にも大きく影響を与えます。

私たちは海の食材も多く食べています。
そしてその食材が育った環境が悪ければ、食材の質や今後収穫される量にも影響があります。

さらに海の水質、これが悪化すれば雨も汚れたものになってしまいます。
その雨の降る環境は、私たちや生き物にとって過ごしやすい環境でしょうか。

このように海の問題は巡り巡って、環境全てに影響を与えるのです。

ではどうすればいいのかという点で、世界では脱プラスチックが提唱されています。

もちろんすぐに全てのプラスチックを使うのをやめる、という極端なものではありません。
しかし現在、世界にはプラスチック製品が多過ぎるというのが現状であり、街の中はプラスチック製品で溢れています。

そんな多過ぎるプラスチック製品を減らす取り組みは多くあります。

まず日本ではビニール袋の有料化が挙げられます。
これによりエコバックの利用率が上がり、今ではその生活スタイルが定着しています。

他にも給水スポットを設置してのマイボトルの推奨や、食品メーカーでは小分け包装やプラトレーの廃止など、国や企業の活動も活発です。

弊社でも商品の過剰包装防止プラ製ケースの廃止等に取り組み、捨てられてしまうプラスチックを減らす努力を行なっています。

こうして企業が世の中に流通するプラスチックを削減していくことで自然と消費者が手にするプラスチックが減り、全体のプラスチックゴミは少なくなっていきます。
そしてそのあとはプラスチックを手にした人が正しく分別・処理をして、プラスチックを再利用していくことが大切です。

決してプラスチックそのものが悪いわけではなく、便利なものを便利だというだけで終わらせず、適材適所で限りある資源として大切に使っていくことが何より重要なのです。