Vol.2「選択すること」

では環境にも人にもやさしい社会のために、私たちの生活の中で一体何ができるでしょうか。
森を守るために植樹?資源を守るために徹底した節約?環境団体への寄付?
多くの人は何か難しいことをしないといけないのではないかと考えてしまうかもしれません。

しかしそのような大きなことではなく、まず私たちができることとして「選択すること」が挙げられます。
ではこの「選択」とは一体どのようなことか、考えていきす。

買う選択
一つ目にこの買う選択。
これは私たちがものを買うときに、一体何を基準に選んでいるかを考えてみます。
普段は価格であったりブランドであったり、人それぞれ自分の基準でものを買っているかと思いますが、そこに意識を向けてみます。
例えばいつもの買い物の中で、ひとつ環境ラベルがついているものを選んでみる。
例えば同じ商品でも賞味期限の近いものから買ってみる。
例えば地元で作られたものを選んでみる。
これだけで環境問題の改善へ一つ参加をしたことになります。

捨てない選択
つぎに「捨てない選択」。
これはいらないものを捨ててしまう前に、まだ使えるものはリサイクルや寄付に出したり、修理やリメイクをしてひとつのものをより長く大切に使っていこうという選択です。
特に洋服のような流行のあるものは当然毎シーズン新たなものが大量に作られ、余ったものは廃棄され、購入されたものも翌シーズンには捨てられてしまうというとてもサイクルの短いものです。
しかしそんな洋服も最近では、廃棄される分を買い取って格安で市場に流したり、染め直しや仕立て直しで一着をより長く着られるようにとロスを減らすために企業の活動が活発になってきています。
どんなものでも捨てる前に一度、本当に捨てるべきものなのかを考え、次につながる選択を考えてみることも私たちにできる環境活動の一つになります。

そして以上のような選択をすることは、市場に対する意思表示にもなります。

店舗は売り上げから消費者が環境に対する配慮のあるものを選んでいるということがわかれば、そういった商品を店舗に増やします。
すると生産者もそのニーズに応えるため、環境に対する配慮をさらに積極的に行います。

捨てないことで無駄な消費が減れば、供給も余剰を出さないように少しずつ生産数を減らしていきます。
ロスが減ると、そのための原材料の消費や生産・運搬・廃棄のためにつかわれるエネルギー資源の削減にも繋がります。

これらが広がっていけば、私たちの生活の中に配慮された製品やサービスが自ずと増えていき、社会の仕組みの変化へとつながるのです。

ただ買うだけ・捨てるだけ、と思うのではなく、買うこと・捨てないことが私たちにできる最大の意思表示であるということです。

私たちに今日からできることとして、少し選択する基準を考えてみませんか?